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アンリ・ロシェは化学者であり、生物学者であり、物理学者でもあり、当時のパリ薬学専門学校の権威でした。
ホイッスラーやルグロ、シェレといった画家たちが集まりその画家たちの中にドガがいました。
ドガはロシェに
“光に負けない強い色調をもち”、
“固定剤の助けを借りずに画布や画用紙に定着し”、
“互いに異なる色彩と明度を持ちながら完全に調和する”、
“色数の多いパステル”
を求めました。ドガの要求はロシェの好奇心を刺激しました。
ロシェは画家たちの要求うをことごとく満たすパステルを作りたいと願い、
パステル工房ラ・メゾン・デュ・パステル社が誕生しました。

オルセー美術館に保管されているドガが使ったロシェのパステル
ラ・メゾン・デュ・パステル社のロゴマークは「ドラゴンと麦の穂束」です。
この図柄は“技術の守り神”として、錬金術師が好んで使ったものだそうです。
未知の領域と芸術的な昇華”を意味する図柄は、ラ・メゾン・デュ・ パステル社のロゴに最もふさわしいものと言えます。
ドガのアトリエで見つかったロシェのパステル箱は「ドラゴンと麦の穂束」の刻印そのままに、パリのオルセー美術館に保管されています。
 

ロシェのパステルは徹底して原料にこだわり、熟練したパステル職人が一本一本手作業で作り上げています
パステルは、粉末状の顔料に水と結合剤を加えて作リます。
一族に伝わる特別の製造技術があり、結合剤を最小限にとどめることが出来るので、ロシェのパステルは顔料の鮮やかさを最大限に発揮することができます。

• 最初の製造工程は、希望する色を創るため顔料を調合する作業です。顔料を混ぜ合わせ、水と結合剤を加え、とろりとしたペースト状に捏ね、全体をすりつぶします。色の濃淡を表現する白も同様に作ります。
• 最も濃い色をチュイルと呼ばれるプレートに移し、少しずつ白を加えて、９種類のグラデーションを作ります。
• ９種類のペーストをそれぞれ布巾で包み、プレス機にかけて、余分な水気を抜き取り、陶芸用の粘土と同じくらいの固さにします。
• 粘土状のペーストを、小さく丸めて球状にし、重さを量り、スティック状に形を整え、一本ずつ木製の板に並べます。
• スティックの長さを整え、ロシェのパステルの商標である“ROC”のマークを刻印し、乾燥させます。
• 品番を記した薄い紙で1本づつ丁寧に包装し、パステルが出来上がります。全て手作業で作られています。

日本国内でロシェのパステルをご購入していただけるのが文房堂です。
ラ・メゾン・デュ・パステル社　アンリ・ロシェのパステルの商品は東京都千代田区神田神保町にある
明治20年創業の画材店「文房堂」（ぶんぽうどう）の店頭と、文房堂が運営するオンラインショップ「画材屋さん.com」でお求めください。